やさしい先輩の、意地悪な言葉
「あ、あの、私はっ」

「デート、してください……」

「は、はい」

しまった! はいって言っちゃった! だだだだって神崎さんが、さっきまでの真剣な表情から、今度は捨てられた子犬みたいな瞳で私を見るから……‼︎


そんな目で見られたら断れないよー‼︎



「決まりな」

二山さんはそう言うと、「とりあえず仕事戻らないとな」と言って、書庫室を出ていく。

神崎さんも、そのあとに続くようにこの場をあとにする。


……時間とかまた連絡するね、という言葉を残して……。



……ほ、ほんとにデートすることになってしまった。デートという名の、お詫びで少し付き合っていただくだけだけど、でも。



えええ?
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