やさしい先輩の、意地悪な言葉
隆也の住むアパートに到着して、ゆっくりと階段を上がる。
二階の、隆也の部屋の前でちょっと身だしなみを確認して、インターホンを押す。
すぐに隆也が出てきてくれて。
「おお。早かったな」
「うん! ケーキ買ってきたよ!」
私はケーキの箱を隆也にさっと差し出した。
「ありがと」
箱を受け取りながら、隆也がそう言う。隆也にありがとうって言ってもらえるとほんとにうれしい。
……でも。
「じゃ」
そう言って、隆也は玄関の戸を閉めた。
……んん?
「えっ、ま、待って」
私がそう言うと、隆也はすぐにまた玄関を開けて顔を出してくれたけど。
「なに?」
「なにって……」
会いたいと思って呼んでくれたんじゃないの? ケーキいっしょに食べようよ。私がそう言おうとした、その時。
「隆也ー、まだー?」
……部屋の奥から、知らない女の子が出てきた……。
だ、誰……?
もしかして、この前私が帰ったあとにこの家に来たっていう女の子……?
女の子は、私の顔を見て、一瞬明らかに不機嫌そうな顔を見せたものの、いたって冷静に、
「この子、誰?」
と、隆也に聞いた。
「元カノ」
隆也も、なにも動揺することなく、普通にそう答えた。
「ふーん、元カノか! 彼女じゃないならいいか!」
「彼女はしばらくいらねー」
「えー! 私のこと彼女にしてくれないの?」
二階の、隆也の部屋の前でちょっと身だしなみを確認して、インターホンを押す。
すぐに隆也が出てきてくれて。
「おお。早かったな」
「うん! ケーキ買ってきたよ!」
私はケーキの箱を隆也にさっと差し出した。
「ありがと」
箱を受け取りながら、隆也がそう言う。隆也にありがとうって言ってもらえるとほんとにうれしい。
……でも。
「じゃ」
そう言って、隆也は玄関の戸を閉めた。
……んん?
「えっ、ま、待って」
私がそう言うと、隆也はすぐにまた玄関を開けて顔を出してくれたけど。
「なに?」
「なにって……」
会いたいと思って呼んでくれたんじゃないの? ケーキいっしょに食べようよ。私がそう言おうとした、その時。
「隆也ー、まだー?」
……部屋の奥から、知らない女の子が出てきた……。
だ、誰……?
もしかして、この前私が帰ったあとにこの家に来たっていう女の子……?
女の子は、私の顔を見て、一瞬明らかに不機嫌そうな顔を見せたものの、いたって冷静に、
「この子、誰?」
と、隆也に聞いた。
「元カノ」
隆也も、なにも動揺することなく、普通にそう答えた。
「ふーん、元カノか! 彼女じゃないならいいか!」
「彼女はしばらくいらねー」
「えー! 私のこと彼女にしてくれないの?」