やさしい先輩の、意地悪な言葉
……なんて。
つい、そんなことを思ってしまったけれど……。
「食べ終わったら、買いものでも行こうか。この通り道、いろいろお店あったし」
「そうですね」
神崎さんに言われ、私は笑顔で頷く。
……つい、神崎さんに対してドキドキしてしまったけれど。
仮に、隆也のことを考えるのをやめて、神崎さんを好きになったとしても。
神崎さんみたいな素敵な先輩が、私のことを好きになるわけがない。
というか、そもそも私なんかを本当に好きになってくれる男性なんていないと思う……。
隆也だって、今思えば、私は付き合ってた時から『好き』という言葉を言ってもらえてなかった気がする……。
隆也が私に興味を持ってくれたきっかけは、“それまで誰とも付き合ったことのない信じがたい存在だったから”ってだけだ。
もしかしたら、別れる前から私はただの“都合のいい女”だったのかな……。そういえば、付き合ってた頃から私、隆也にいろいろ買ってあげてたし……。
二年間、彼女としてそばにいさせてくれたのは、私がそこそこ便利だったからなのかも……。
その真実はわからない。でも。
神崎さんを気になり始めたところで、神崎さんが私を恋愛対象として見てくれることはまずないという考えは、確信に近い考えだった。
だから、やめよう。
神崎さんを好きになっても、それが報われることはきっとないのだからーー……。
ーー……
「元気ないね?」
つい、そんなことを思ってしまったけれど……。
「食べ終わったら、買いものでも行こうか。この通り道、いろいろお店あったし」
「そうですね」
神崎さんに言われ、私は笑顔で頷く。
……つい、神崎さんに対してドキドキしてしまったけれど。
仮に、隆也のことを考えるのをやめて、神崎さんを好きになったとしても。
神崎さんみたいな素敵な先輩が、私のことを好きになるわけがない。
というか、そもそも私なんかを本当に好きになってくれる男性なんていないと思う……。
隆也だって、今思えば、私は付き合ってた時から『好き』という言葉を言ってもらえてなかった気がする……。
隆也が私に興味を持ってくれたきっかけは、“それまで誰とも付き合ったことのない信じがたい存在だったから”ってだけだ。
もしかしたら、別れる前から私はただの“都合のいい女”だったのかな……。そういえば、付き合ってた頃から私、隆也にいろいろ買ってあげてたし……。
二年間、彼女としてそばにいさせてくれたのは、私がそこそこ便利だったからなのかも……。
その真実はわからない。でも。
神崎さんを気になり始めたところで、神崎さんが私を恋愛対象として見てくれることはまずないという考えは、確信に近い考えだった。
だから、やめよう。
神崎さんを好きになっても、それが報われることはきっとないのだからーー……。
ーー……
「元気ないね?」