やさしい先輩の、意地悪な言葉
「ご、ごめん。驚かせちゃったかな。冗談のつもりだったんだけど」
「い、いえ! 大丈夫です!」
「ほんとごめん。でも困ってる顔もかわいいけ」
かっ!? さらりとかわいいと言われてしまった……。もちろん社交辞令だと思うけど……。
……でも私は、気づき始めていた。
「ねえ、マルチーズって瀬川さんに似てない?」
「え? マルチーズですか?」
笑顔でそう話す神崎さんの右手には、さっき神崎さんが棚から手に取ったマルチーズが表紙のメモ帳。
神崎さんはそのメモ帳の表紙を私に見せながら。
「なんか、小さくてふわふわしてるとこ。目もくりっとしてて、かわいい」
「そ、そうですか? でも私、体毛ふわふわしてませんよ?」
「体毛じゃないから。あはは、おもしろい」
「よ、よくわかりませんがマルチーズは好きなのでうれしいです。神崎さんはゴールデンレトリバーって感じがします。頭がよくて、落ち着いてるところが」
「本当? そんな風に思ったことないけど。でも瀬川さんがそう言ってくれるなら、今日の記念にゴールデンレトリバーの表紙のメモ帳買おうかな」
「あっ、じゃあ私もマルチーズのメモ帳買います!」
……ささいな会話でも、神崎さんと話してる時間は、とても楽しい、ということに。
「い、いえ! 大丈夫です!」
「ほんとごめん。でも困ってる顔もかわいいけ」
かっ!? さらりとかわいいと言われてしまった……。もちろん社交辞令だと思うけど……。
……でも私は、気づき始めていた。
「ねえ、マルチーズって瀬川さんに似てない?」
「え? マルチーズですか?」
笑顔でそう話す神崎さんの右手には、さっき神崎さんが棚から手に取ったマルチーズが表紙のメモ帳。
神崎さんはそのメモ帳の表紙を私に見せながら。
「なんか、小さくてふわふわしてるとこ。目もくりっとしてて、かわいい」
「そ、そうですか? でも私、体毛ふわふわしてませんよ?」
「体毛じゃないから。あはは、おもしろい」
「よ、よくわかりませんがマルチーズは好きなのでうれしいです。神崎さんはゴールデンレトリバーって感じがします。頭がよくて、落ち着いてるところが」
「本当? そんな風に思ったことないけど。でも瀬川さんがそう言ってくれるなら、今日の記念にゴールデンレトリバーの表紙のメモ帳買おうかな」
「あっ、じゃあ私もマルチーズのメモ帳買います!」
……ささいな会話でも、神崎さんと話してる時間は、とても楽しい、ということに。