やさしい先輩の、意地悪な言葉
う、うん……と、神崎さんはなおも難しそうな顔をしている、けど。
「……わ、私、神崎さんが酔って意地悪なこと言われても、その、平気ですし。
それに、せっかく秘密を共有したわけですから……二山さんの前だけじゃなくて、私の前でもお酒を飲んでいただけたら……と思い」
「そんな。俺に気を遣わなくていいんだよ」
「ちっ、違うんです! 気を遣ってるとかではなく……!」
もう少し意地悪を言われたいんです……とか、そんなことは言えないけど……。
ヤバい、私、下心見え見えだったかな……と心配に思ったけど。
「……ほんとに、いいの?」
……お?
「はいっ! もちろんですっ!」
「じゃあ、ちょっとだけいいかな、ほんとにちょっとだけ」
「はいっ!」
よかった! 神崎さんも、ちょっとうれしそうだ。
下心はなくはなかったけど……神崎さんがうれしそうにしてくれることも、もちろん純粋にうれしい。
「じゃ、じゃあ行きましょう! 駅の方に飲み屋さんいっぱいありますよね!」
「うん。もう空いてるかな。まあ、ほんとに少ししか飲まないから、さすがに今日は変なことは言わないと思う」
そんな風に笑う神崎さんととなり同士歩き、駅の方へと向かう。
私はお酒は嫌いじゃない。飲みすぎることはないけど、お酒が入ると普段よりは気楽に人と話せるようになるから。
神崎さんとも、お酒の力を借りてもう少し距離を縮められるかもしれない、とも思った。
「……わ、私、神崎さんが酔って意地悪なこと言われても、その、平気ですし。
それに、せっかく秘密を共有したわけですから……二山さんの前だけじゃなくて、私の前でもお酒を飲んでいただけたら……と思い」
「そんな。俺に気を遣わなくていいんだよ」
「ちっ、違うんです! 気を遣ってるとかではなく……!」
もう少し意地悪を言われたいんです……とか、そんなことは言えないけど……。
ヤバい、私、下心見え見えだったかな……と心配に思ったけど。
「……ほんとに、いいの?」
……お?
「はいっ! もちろんですっ!」
「じゃあ、ちょっとだけいいかな、ほんとにちょっとだけ」
「はいっ!」
よかった! 神崎さんも、ちょっとうれしそうだ。
下心はなくはなかったけど……神崎さんがうれしそうにしてくれることも、もちろん純粋にうれしい。
「じゃ、じゃあ行きましょう! 駅の方に飲み屋さんいっぱいありますよね!」
「うん。もう空いてるかな。まあ、ほんとに少ししか飲まないから、さすがに今日は変なことは言わないと思う」
そんな風に笑う神崎さんととなり同士歩き、駅の方へと向かう。
私はお酒は嫌いじゃない。飲みすぎることはないけど、お酒が入ると普段よりは気楽に人と話せるようになるから。
神崎さんとも、お酒の力を借りてもう少し距離を縮められるかもしれない、とも思った。