やさしい先輩の、意地悪な言葉
……今日一日で、神崎さんのことをこんなに意識するなんて、まさか思わなかった。

男の人は、みんな勝手だと思って怒ってすらいた。

でも、そうじゃなかった。神崎さんはとってもやさしくて、ちょっと意地悪なところもあって、でもそこにときめいたりもしてしまった。
こんな風に思えたのは、最初に二山さんが、私と神崎さんが出かけることを提案してくれたからだ。それに二山さんは、私たちのことを気にかけて、昼間LINEをくれた。
そう考えると、男の人がみんな勝手ってわけじゃないな。


……それに気づいてしまったら。私が隆也に依存してる理由は、もう……。



神崎さんへの気持ちは、まだはっきりとはわからない。でも、隆也への答えは……見えた気がした。



そのことに、安心したのだろうか。

ふかふかのベッドの上で、すぐとなりで神崎さんが寝ているというのに、私は緊張して目が冴えるべきだろうところ、まぶたが重くなるのを感じてしまった。
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