強気な彼から逃げられません
告白しても告白されても、付き合い始めた途端私の相手への思いの方が強くなって一生懸命に尽くして想いを添わせても。
『思ってたより重いオンナだったんだな』
冷たい言葉と一緒に訪れるお別れの時。
私一人が恋愛にのめりこんでは好きという気持ちを重ねて。
相手は少しずつそれが面倒になる。
長続きしない恋愛が多かった。
それに、一言も言葉を交わしたことがない相手から好きになってもらえるほど、自分は上等な見た目だとも思えないし。
「きっと期待外れです。もしも私を今好きだとしても、その気持ちが長続きしない自信があります」
かなり後ろ向きな言葉を、ははっと軽く笑って言ってみた。
私が、付き合い始めても長続きさせるほどの魅力のない性格で、人目をひくほどの見た目でもないってこと、私自身が一番わかってるから、敢えて軽く言って、怜さんの一生懸命な言葉を流してみた。
多分、怜さんが私を追いかけてくれているのは気の迷い、それとも、この夜の暗闇の魔法かもしれない。
私の顔すらはっきり認識できないこの空間ゆえの思いに違いない。
そう自分で納得して、小さく苦笑してみると。
「……戸惑わせてるのは申し訳ないけど、俺の気持ちはとっくに長続きしてるんだけど」
低くて無愛想な声が返ってきた。