強気な彼から逃げられません



目を閉じて、再び開けたら夢からさめてるのかもしれない……そう思うと怖くて仕方がない。

そんな私の不安をわかってくれたのか、怜さんの瞳が一瞬細くなった。

「どこまで俺をその気にさせるんだよ。 不安なら、そんな不安なんか無くなるまで目を開けてちゃんと見てろ。俺が芹花をどれだけ求めてるのか、一晩中見てろ」

苦しげにそう呟いた怜さんは、更に強く私を抱きしめて、その熱を私の口に注ぎ込む。

呼吸がまともにできなくて息苦しい。

おまけに喘ぎ声が止まらない恥ずかしさで体が熱くなる。

それでも怜さんが抱きしめてくれることが嬉しくて、私の体を全て怜さんにゆだねてしまう。

「ん……っ、れ、怜さん……あっ……」

「一晩中だ、……芹花を一晩中啼かせるから」

私の戸惑いや息苦しさなんてまるで無視して怜さんは私にそう告げると、いきなり私を抱き上げた。

「安心しろ、この部屋には芹花以外の女は入れてないから」

そう呟くと同時に、迷うことなく歩みを進めた。

そして。

怜さんが向かったのは、リビングと同じように夜景がきれいな寝室だった。

そっとおろされたベッドで体を弾ませながら、はっと視線を向けると。

「芹花の気持ちも体も、俺がもらうから」

怜さんの低い声が、私を包み込んだ。


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