強気な彼から逃げられません
「つらくなるくらいに怜さんに愛されたいから。 私は、まだ本気で愛さないことにする。怜さんにもっともっと愛せよって願って欲しいから……」
怜さんに愛される幸せと重さに捕らわれて、ひたすら甘やかされたい。
本当は、とっくに、私も愛しているけれど。
その思いを口にはしない。
『まだ愛さない』
そう言って、もうしばらくは、怜さんを焦らしてみたい。
「どうとでも言ってろ。 芹花が俺にこうして素直に抱かれて、笑っていればそれが答えだ」
余裕と自信しか感じられない怜さんの言葉に、かあっと体は熱くなる。
「俺はとっくに愛してる」
怜さんの唇が、その言葉を証明するように私の体を這い、一晩中声をあげ続けた私にはもう、自分の愛し方への不安も何もなくなって。
ひたすら愛される、怜さんの特別な存在となった。
願わくは、ずっと愛される、そしてひたすら愛する、そんな日々を怜さんと共に過ごしていきたい。