強気な彼から逃げられません
④
怜さんと気持ちを寄り添わせてから十日ほどが過ぎた。
抱かれてからも十日ほど……。
この信じられないほどの早い展開には私が一番驚いているし、日々足元のふわふわ感が大きくなる。
私の気持ちは落ち着くどころかどんどん怜さん一人に向けられ、これ以上はないほど『好き』という気持ちに支配されている。
初めて怜さんの部屋を訪ねた夜、お互いの気持ちを素直に通わせて、そして体を重ねた。
私以外の女の人を、部屋に連れて来たことがないと言ってくれた怜さんは、
『これからも、芹花以外の女がこの部屋に来ることはない』
その言葉の向こう側にある熱い想いを向けられて、そして抱きしめられる度にこぼれる吐息を体で受け止めて。
『これからも……私、だけ……?』
私一人を愛してくれるという怜さんの気持ちに触れた途端、私の体全体が、怜さんからの刺激に強く反応した。
自分ではどうしようもないほどに、怜さんに取り込まれていく心と体は。
『どうしよう』
という、嬉しい不安に包まれて、心地よい痛みも感じた。