強気な彼から逃げられません



思い出すだけでしゃがみこみたくなるほどの嬌声と、恥ずかしすぎて忘れたくなるほどの反応。

こんなの私じゃないと混乱するほどに乱れながら受け入れた怜さんの全てを思い出す度に、どんどん怜さんへの『好き』という思いが全身にあふれてくる。

何をしていても、何を見ていても、常に私のどこかに怜さんが存在して、私が過ごす時間全てに怜さんが入り込んでくる。

これまでの恋愛では感じなかった安心感を感じられるのは、怜さんの熱い気持ちが私に注がれて、不安になる隙間を埋めてくれるからだと思う。

幸せを感じる度に、自分の愛し方が重すぎないかと考えていた恋愛経験が、怜さんに対しては全く機能しなくて。

怜さんを、思う存分、安心して、愛してもいいと。

心ゆくまで好きな気持ちを露わにしてもいいと。

そんな想いを与えられると、仕事だけでなく何もかもに前向きになれると気付いた。

怜さんと過ごす時間もそうでない時間も、豊かに過ごせる自分。

そんな自分が新鮮でたまらない。

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