『あいしとうよ』『ごめんね』
毎日来ては「彼女欲しい」「私は?」のやり取りをして早い日は10分居たか居ないかくらいで明日仕事早いから帰る。と言って帰ってしまってたから。
私はこの他にゆうちゃんの事を試すような事をしていた。嫌われる覚悟で。もう電話で話してくれなくなることも覚悟で。
「ゆうちゃーん」
「なんや?」
「すきー」
「ん、おぅ、ありがとう」
この一言を初めていう時は怖かった。でも気持ちが大きくなってから隠せなくなるよりならまだ蕾のうちに悪い芽はとっておこうって。
ゆうちゃんの反応は「ありがとう」だった。たまにゆうちゃんの方からもう一回言って!!とか言ってたから嫌われてなかったと思う。からかわれていたとは思うけど。
私は好きになりかけていた。しんやが居ても居なくてもゆうちゃんにしか話しかけていなかった。しんやはPCでゲームをしていて私達の会話にあまり入ってこなかった。ゆうちゃんが「話しかけてやれって」ってしんやに言っても「話してていいよー」しんやの優しさに甘えすぎていた。少し大人になった今なら分かる。しんやの優しさに乗じて友達としか話さない、しんやにとても残酷な事をしてしまっていたということを。