貴方が好き!
眠り続けている【あいつ】

第01話 捕虜

「はぁ……だり……」

「言うな言うな。俺だってだりぃよ」

「だよなぁ。やっぱり、低階層はよぇよ」

「仕方なくね? お前はあいつに会いに来たんだろ?」

「当たり前だろ、じゃなきゃこんなとここねーよ。お前は?」

「久しぶりにお前らに会いたくなったんだよ」

「なんだ? お前友達とか出来なかったのか」

「出来たっつうの! やめろよ、俺がコミュ障みたいな言い方……」

「違ったのか」

「……初対面の奴にはキンチョーすんの!」

「ふーん、そういうことにしとくわ」

「ニヤニヤすんな! ったくよ……」

「でもよぉ、なんでこんな迷宮なんか作ったのかね……」

「しかも、同じ【地球人を倒したら捕虜にすることが出来る】なんて変なルールも作ったろ? 本当に何考えてんだろな」

「取り敢えずキチガイって言うのは分かった」

「それは知ってるよ」

「だよなぁ……」

「取り敢えず、俺はあいつを見つける事だけにここに参加したからなー。ま、お前らに会うってのも一応理由にあるけどな」

「取って付けた様に言うなよなー」

「基本こんなもんだって」

「ま、知ってるけどさー。お、どうやら次の同じ星の奴らに出会ったようだ」

「今度こそ、いるといいな」

「お前、地球人に会ったらそればっかりだな」

「他になんか理由がいるか? 地球人に会うのに」

「いや、まあ、良いんだけどよ……お前のやり方、ひでぇもん……」

「気のせいだ。俺は取り敢えずあいつを探してるんだよ。それ以外の奴らは要らないだろ?」

「……やり方さえなければお前は本当にあいつ一筋だなって言えるわー」

「うっせ。取り敢えず、一発目、行ってくるわ」

「おう。行ってこい。負けんなよ」

「誰に言ってんだよ。ばーか」

「けっ……ま、惨いことすんなよ」

「ある程度の努力はするさ」

「けっ……その言葉は全然宛になんねぇーなぁ……」
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