その顔が見れるのは私だけ

今日もいつも通り少し早い電車に乗れたから服も無事だし、コンビニにお昼ご飯を買いに寄り道しても30分ほど余裕で出社できた。



会社に着いたらいつも通りのたくさんの仕事が待ってるし、

『沙保先輩、おはようございます。今日は朝御飯食べました?』

なんて毎朝聞いてくれる世話焼きなかわいい後輩もいる。


『由衣ちゃんおはよう、今日も食べてない』

そう答えると、『はい!食べてくださいね。』と私に小さなおにぎりを差し出してくれるので今日もありがたく受け取っておく。


『今日は沙保先輩が好きなシャケにしました。』

『いつもありがとう。』

こうやって毎日私の朝御飯まで心配してくれるかわいい後輩は23歳ながら毎日自炊生活をしていて本当に偉いと思う。まぁ、彼女の自炊生活にはやむを得ない事情もあるんだけど。

それに引き換え、28歳にもなって未だに朝は由衣ちゃん、昼夜をコンビニとスーパーに助けてもらっている私には電車でみつめる彼しかときめきの要素すらないのだから、仕事をするしかない。

始業までの30分の間に由衣ちゃんお手製のおにぎりを食べればそれからお昼までは仕事に集中だ。


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