④オオカミさんのプロポーズ エリート課長の専決事項
「はっ、ありがとうございます、誠心誠意、務めさせて…」
ニヤける顔を隠すため、再び頭を深く下げた時、
「まあ、待ちたまえ。人事部長」
社長に呼ばれた人事部長が、大きな咳払いをした。
「ごほんっ。
大神君、あのね。
ウチの支社長として出向いてもらう場合の内規って知ってる?」
「あ、はいっ、いいえ…済みません」
神経質そうに人事部長は、ゴホンと咳払いをした。
「あのね。支社長は、単身赴任が許されないの。
必ずご家族と行ってもらう事になるの。…様々な理由でね」
「はあ…」
「…君、独身だったよね?決まった相手、いたっけ?」
三鷹社長がなに食わぬ顔で尋ねた。
「いえ、特には。…あ、いやその」
そうだった。俺は表向き、社長第1秘書の松嶋さんの交際相手ということになっている。
実際は社長のダミーなのだが…
彼が思い出したタイミングを見計らい、三鷹社長はサラッと告げた。
「な?…丁度良いだろ。この機会に二人、結婚しちゃいなさい」
「え…」
ええええええエエエっ‼‼
「ち、ちょっと待って下さい!だって彼女は…」
大神は、慌てて松嶋の方を見た。
しかし彼女は、そ知らぬ顔で空を見つめている。
信じられない。
彼は副社長、人事部長と視線を移し、最後に三鷹社長を見つめた。
ニヤける顔を隠すため、再び頭を深く下げた時、
「まあ、待ちたまえ。人事部長」
社長に呼ばれた人事部長が、大きな咳払いをした。
「ごほんっ。
大神君、あのね。
ウチの支社長として出向いてもらう場合の内規って知ってる?」
「あ、はいっ、いいえ…済みません」
神経質そうに人事部長は、ゴホンと咳払いをした。
「あのね。支社長は、単身赴任が許されないの。
必ずご家族と行ってもらう事になるの。…様々な理由でね」
「はあ…」
「…君、独身だったよね?決まった相手、いたっけ?」
三鷹社長がなに食わぬ顔で尋ねた。
「いえ、特には。…あ、いやその」
そうだった。俺は表向き、社長第1秘書の松嶋さんの交際相手ということになっている。
実際は社長のダミーなのだが…
彼が思い出したタイミングを見計らい、三鷹社長はサラッと告げた。
「な?…丁度良いだろ。この機会に二人、結婚しちゃいなさい」
「え…」
ええええええエエエっ‼‼
「ち、ちょっと待って下さい!だって彼女は…」
大神は、慌てて松嶋の方を見た。
しかし彼女は、そ知らぬ顔で空を見つめている。
信じられない。
彼は副社長、人事部長と視線を移し、最後に三鷹社長を見つめた。