④オオカミさんのプロポーズ エリート課長の専決事項
__深夜1時。
社長第1秘書、松嶋七緒のマンション。
またの名を社長別宅。
シュッ、シュッ…
最上階の、女性の独り暮らしにしてはクールすぎるインテリアの寝室に、規則正しい摩擦音だけが響いている。
もう深夜だというのに、部屋の主である七緒が熱心にネイルを磨いている音だ。
さっきまでの乱れなどまるでなかったかのように、ドレッサーに腰掛け、真剣な眼差しで爪先を見つめている。
すぐ隣のベッドには、これまた少し前まで、あれほど情熱的に彼女に愛を注いでいたのとは別人のように、部下の報告書(レポート)を眺める三鷹等(みたかひとし)社長。
今晩でカタをつけるつもりなのか。
ベッドサイドに山と積まれているそれを、熱心に読みふけっていた。
と、七緒がふと手を止め、彼を振り返った。
「ねぇ、社長?」
「何だい?松嶋くん」
「出来ちゃった♪」
「え…」
社長第1秘書、松嶋七緒のマンション。
またの名を社長別宅。
シュッ、シュッ…
最上階の、女性の独り暮らしにしてはクールすぎるインテリアの寝室に、規則正しい摩擦音だけが響いている。
もう深夜だというのに、部屋の主である七緒が熱心にネイルを磨いている音だ。
さっきまでの乱れなどまるでなかったかのように、ドレッサーに腰掛け、真剣な眼差しで爪先を見つめている。
すぐ隣のベッドには、これまた少し前まで、あれほど情熱的に彼女に愛を注いでいたのとは別人のように、部下の報告書(レポート)を眺める三鷹等(みたかひとし)社長。
今晩でカタをつけるつもりなのか。
ベッドサイドに山と積まれているそれを、熱心に読みふけっていた。
と、七緒がふと手を止め、彼を振り返った。
「ねぇ、社長?」
「何だい?松嶋くん」
「出来ちゃった♪」
「え…」