④オオカミさんのプロポーズ エリート課長の専決事項
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「怖がってるだなんて……ぐすっ」
 ぼとぼと、うつむき加減で廊下を歩いていた燈子。

 「あれ?そこにいるのはトーコちゃん。
今から中締めだってさ……どした?」

 そこに、何げなさを装って熊野が探しにやってきた。

「…熊野…さん?」

 ふっと顔を上げた、彼女の目が赤く腫れている。
 熊野は驚いて尋ねた。

「ひょっとして泣いてるの?
もしかしてお腹痛いとか…
 そういやさっき、大神とすれ違って…まさかアイツに何かされた?くそー、あの野郎っ」

「い、いえ…あの。
 コンタクトが…ずれちゃって」
「ならいいけど…」

 燈子は笑顔を取り繕った燈子を見て、熊野は安堵の息を吐いた。
 ちなみに燈子の視力は両眼2.0だ。

「へへっ、じゃあお先に」
「…あ、ちょっと待って」

 逃げるように会場に向かおうとした彼女を熊野は慌てて呼び止めた。
「ほ?」

「あー…トーコちゃん、あのさ。
来週の…イブは、何か予定ある?」

「え?…ないですけど…」
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