④オオカミさんのプロポーズ エリート課長の専決事項
例え早朝ランニングであれ、プレイボーイの彼は身だしなみに決して手を抜かない。
顔を洗い、髭を剃って眉も整え、寝癖の強いボサボサヘアをきっちり固めてからでないと、人前には出ないのだ。
トレーニング・ウェアを着こみ、玄関口にある全身鏡で頭の頂点から爪先までチェックし、彼はようやく玄関ドアを出た。
マンションのエントランスを出ると、外はまだほの暗かった。
凍るような晩秋の北風がひゅう、と吹き抜けて、大神はぶるっと身を震わせた。
眠い、寒い、面倒臭い、サボリたい…。
イヤ!
いい仕事の基本は、フットワークの軽さにあるんだ!
己を鼓舞し、彼は一歩を踏み出した。
いつものコースは折り返し地点の運動公園まで約3km。
ハードロックを聞きながら、軽く流して約13分ほど。
5分と経たないうちに身体は寒さに馴れ、公園に着いた頃にはもう、すっかり暖まってしまう。
軽くかいた汗を拭きながらベンチに腰かけた彼は、マイボトルのドリンクを飲み、いつものように一休みしていた。
近頃、小型犬の散歩をしている美人を決まった場所で見かける。
今日も……いた。
中央の水のみ場の近くで白いプードルを遊ばせている。
彼の経験上、3回目が合えば脈がある。
大神と目があうと、ぱっと目を逸らして物憂げな様子を取り繕った彼女を見、大神はベンチを立った。
よし!イける。
にこやかな笑みをつくりながら、大神は彼女に近づいた。
顔を洗い、髭を剃って眉も整え、寝癖の強いボサボサヘアをきっちり固めてからでないと、人前には出ないのだ。
トレーニング・ウェアを着こみ、玄関口にある全身鏡で頭の頂点から爪先までチェックし、彼はようやく玄関ドアを出た。
マンションのエントランスを出ると、外はまだほの暗かった。
凍るような晩秋の北風がひゅう、と吹き抜けて、大神はぶるっと身を震わせた。
眠い、寒い、面倒臭い、サボリたい…。
イヤ!
いい仕事の基本は、フットワークの軽さにあるんだ!
己を鼓舞し、彼は一歩を踏み出した。
いつものコースは折り返し地点の運動公園まで約3km。
ハードロックを聞きながら、軽く流して約13分ほど。
5分と経たないうちに身体は寒さに馴れ、公園に着いた頃にはもう、すっかり暖まってしまう。
軽くかいた汗を拭きながらベンチに腰かけた彼は、マイボトルのドリンクを飲み、いつものように一休みしていた。
近頃、小型犬の散歩をしている美人を決まった場所で見かける。
今日も……いた。
中央の水のみ場の近くで白いプードルを遊ばせている。
彼の経験上、3回目が合えば脈がある。
大神と目があうと、ぱっと目を逸らして物憂げな様子を取り繕った彼女を見、大神はベンチを立った。
よし!イける。
にこやかな笑みをつくりながら、大神は彼女に近づいた。