④オオカミさんのプロポーズ エリート課長の専決事項
「やあ、よくお会いしま…」
「あれぇ、大神さん?大神課長じゃないですか!
オオカミ課っ長ぉ~~」
聞き覚えのある間延びした声に、この間の悪さ…
振り返ると、はるか向こうのベンチから、ぶんぶんと手を振る女が1人。
「赤野……燈子」
大神はクルリと方向を転換した。
怪訝な様子でこちらを見ている美女には背を向けて、声のする方へと駆けていく。
名残にちらりと後ろを見ると、肩をいからせながら嫌がるプードルを引っ張っている、彼女の背中が見えた。
「奇遇でふねぇ」
両手に大事にコッペパンを包み、いかにも幸せそうにパクついているチビ女は、赤野燈子(あかのとうこ)。
大神の不肖の部下、かつ彼の不毛な片想いの相手でもある。
「ま、まあな。
どうした。何やってんだこんなところで」
アムッ。
パンを包むその両手が、頬張る口元が…
なんかエロい。
またしても妄想に浸っていた大神は、かろうじて平静を保った。
「ヤダなあ、見たら分かるでしょ?
『食欲の秋』ですよ。
ちょっと太っちゃってね~、ダイエットにジョギングを始めたってわけでして。
あ~、さては課長も?
メタボの気になるお年頃ってやつでしょ?」
「バカいうな!
言っとくが、俺の体脂肪率は…フッ、9%だ」
「あれぇ、大神さん?大神課長じゃないですか!
オオカミ課っ長ぉ~~」
聞き覚えのある間延びした声に、この間の悪さ…
振り返ると、はるか向こうのベンチから、ぶんぶんと手を振る女が1人。
「赤野……燈子」
大神はクルリと方向を転換した。
怪訝な様子でこちらを見ている美女には背を向けて、声のする方へと駆けていく。
名残にちらりと後ろを見ると、肩をいからせながら嫌がるプードルを引っ張っている、彼女の背中が見えた。
「奇遇でふねぇ」
両手に大事にコッペパンを包み、いかにも幸せそうにパクついているチビ女は、赤野燈子(あかのとうこ)。
大神の不肖の部下、かつ彼の不毛な片想いの相手でもある。
「ま、まあな。
どうした。何やってんだこんなところで」
アムッ。
パンを包むその両手が、頬張る口元が…
なんかエロい。
またしても妄想に浸っていた大神は、かろうじて平静を保った。
「ヤダなあ、見たら分かるでしょ?
『食欲の秋』ですよ。
ちょっと太っちゃってね~、ダイエットにジョギングを始めたってわけでして。
あ~、さては課長も?
メタボの気になるお年頃ってやつでしょ?」
「バカいうな!
言っとくが、俺の体脂肪率は…フッ、9%だ」