④オオカミさんのプロポーズ エリート課長の専決事項
 彼の直感はやはり正しかった。

 その“何か”は、時を置かずにすぐやって来た。

「課長、秘書課から伝言です。
 社長室にすぐに来るようにと」

 水野女史が受話器を置いた。


 __間違いない、コレだ__

 大神はすぐに席を立ち、社長室へと向かった。

 
 社長室に向かう道すがら、彼は記憶を辿っていた。

__何がまずかったのだろう。

 改良型製品の評判は良いはずだ。
 こないだの接待だって上手くいったし、レセプションもまずまずだった…

 まてよ、
 まかさあれか?
 こないだの飲み会で、一発芸がスベった件…

 言い訳を考えながら、扉を2回、ノックする。


「業務課の大神です。入ります」
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