高校デビュー
図書館は昼休みでも誰もいなく、
私は本をとらずに机に突っ伏した。
ここにいるだけで落ち着く。
心が洗われていく気がする。
このイライラやモヤモヤも
洗い流してくれればいいのに。
ガチャ
図書館のドアが開いた。
「なにしてんの?本読まねーの?」
「………一ノ瀬くん…。
ちょっと一人になりたかっただけ。」
「なんで?」
一ノ瀬くんは本もとらずに私の横に座った。
「なんでって…」
まさかあなたにイライラして逃げました
なんて言えないし。
「蒼太と隆典?」
あー…確かに疲れるけど
あの二人が嫌な訳じゃない。
一緒にいると楽しいしね。
「違うよ。」