高校デビュー



私が戻りなと言っても動かないし

何も言わない一ノ瀬くん。


「………なんで私に構うの?」


最初もそう。

明らかに私に冷たかったのに

ナンパから助けてくれたり

一緒に帰ってくれたり…

あの女たちから助けてくれたり…


一ノ瀬くんが考えてることがよくわからない。



「ほっとけないから。」


「どうして?」


「……別にいいだろ。」



やっぱりよくわからないや。



ガチャ


そこに美咲が来た。



「雄也、莉々愛と二人で話したいから

教室に戻って。」



「はいはい。」



……………美咲が言えばすぐに聞くんだね。

私が言ってもシカトだったのに。



< 113 / 249 >

この作品をシェア

pagetop