高校デビュー
「莉々愛。」
一ノ瀬くんが屈んで目線を合わせてきた。
私は思わず後ろを向いてしまった。
「なんでこっち見ねーの。」
「ち、近いです…。
その距離じゃみんな恥ずかしいよ…。」
「あぁ、悪い。
で、俺のことなんで避けんの。」
「……………今は言えません。
でも嫌いとかじゃないよ。」
「なら避けんなよ。
俺、結構ショックなんだけど。」
「……………ごめんね。」
「で、いつになったらこっち向くわけ?」
「……………離れたら。」
私がそういうと一ノ瀬くんは舌打ちをした。
……………怖いです。
「じゃあ俺座るから。
莉々愛もちゃんと座れよ。」
それだけ言って離れていった。