高校デビュー



「莉々愛。」


一ノ瀬くんが屈んで目線を合わせてきた。


私は思わず後ろを向いてしまった。



「なんでこっち見ねーの。」



「ち、近いです…。

その距離じゃみんな恥ずかしいよ…。」



「あぁ、悪い。

で、俺のことなんで避けんの。」



「……………今は言えません。

でも嫌いとかじゃないよ。」



「なら避けんなよ。

俺、結構ショックなんだけど。」



「……………ごめんね。」



「で、いつになったらこっち向くわけ?」



「……………離れたら。」



私がそういうと一ノ瀬くんは舌打ちをした。



……………怖いです。



「じゃあ俺座るから。

莉々愛もちゃんと座れよ。」



それだけ言って離れていった。



< 119 / 249 >

この作品をシェア

pagetop