高校デビュー
はぁ…助かった…。
私はいつも通り一ノ瀬くんの前に座った。
やっぱり本を読む一ノ瀬くんは一段とかっこよくて
私はすぐに本へ目線を移した。
「今日、何時に帰んの?」
「え?」
「本屋行くんだろ?」
「あー…切りのいいところで…。」
「そんなのあるわけ?」
……………確かに。
「じゃあ5時。」
「了解。」
それだけ言って一ノ瀬くんは本に目線を戻した。
………普通に会話できたよね?
普通だったよね?
……………本に集中しよう。