高校デビュー
それから夕方まで一ノ瀬くんちにいて、
一ノ瀬くんと雅人くんに駅まで送ってもらった。
「じゃーね、また明日。」
私と美咲は一緒に改札を通った。
「どう?いっぱい話せた?」
美咲がいきなり言い出した。
「もしかしてそのために
あえていちゃついてたの?」
「うん。雅人にも協力してもらってね。
私と雅人が一緒にいれば
莉々愛は雄也と話せるでしょ?」
「なんだぁ、そういうことか。
でもいっぱい話せました!お陰さまで。」
「莉々愛と雄也が付き合ったらいいのに。
そしたらまた4人で遊べるじゃん。」
「今でも遊べるじゃん?」
「そうだけどさ。
雄也が付き合ったとことか見てみたいし。」
「まぁ付き合えないと思うけどね。」
「そんなのわかんないじゃん。」
「私にだけ冷たいし。
黙れとか普通に言われるしね。
相変わらず笑わないしさ。」
「だから冷たさも愛情表現だって。
さっき雅人も言ってたけどね。」
「それとは違うよー。」
「でも毎日一緒に帰ってるんでしょ?
望みあるじゃない。」
「そうかなぁ…。」