高校デビュー



「なぁ、莉々愛。」


一ノ瀬くんが話しかけてきた。


「ん?」



「俺のことも雄也って呼べよ。」



「うん、雄也くん…。

慣れないね。」



「雄也でいいって。」



「え、呼び捨て?」



「そ。いいじゃん。」



「雄也………

ってやっぱ慣れない!」



「じゃねーと返事しねーから。」



「えぇ!ひどいね。

まぁ頑張ります。」



「おう。」


雄也、雄也、雄也…


なんか恥ずかしいんだけど…。



「ってか莉々愛、

その格好の方が絶対いい。」



「え、ほんと?」



「まじで前の頭悪そうだったし。」



「………お母さんの好みだしね。」



「そっちのがかわいい。」



「なっ…変なこと言わないでよ!」



急にいつもと違って優しいし…

顔が熱いよ…。



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