高校デビュー
「ありがと。」
私はそう言ってまた座った。
そして私のすぐ横に雄也が座った。
「なんか風呂上がりっていいな。」
「ふふ、新鮮でしょ。」
「だな。」
今日の雄也はよく笑う。
すっごく優しい。
いつも「うるせーよ。」ってすぐ言うのにね。
「休みの日も会ってくれる?」
「莉々愛がいいなら。」
「じゃあ会いたい。」
「おう。
じゃあ俺がそっち行くわ。」
「でもこっちなんにもないよ?」
「いろいろ見たい。学校とか公園とか。」
「そんなんでいいの?」
「莉々愛が育ったとこ見たいじゃん。」
「………そっか、じゃあ一緒に歩こ。」
「おう。」