高校デビュー



試合が始まると、今度は私にボールが集中する。


しかもスピードがかなり速い。

ドッチボールかってくらい。


「松浦!」


「った…。」


そして必ず私は取れずに落とす。


あんな速いボール取れないよ…。



私はそれを拾うと

今度は1組の女の子に突き飛ばされて

ボールを奪われる。


「あー、なにやってんだよ!」


そんな声が聞こえるけど…

今の絶対ファールだよ…。



「松浦!」


またきた。


「いったぁ…。」


今度は突き指をしてしまった。



そこに1組の女の子がまた来た。


「佐伯さん!」


私はボールを取られる前に佐伯さんにパスを回した。

でも佐伯さんはボールを受け取らず

頭にボールをぶつけた。絶対わざと。


「いったぁーい。」


そう言って泣き出した。



「ちょっと!謝りなさいよ!」


私は派手な子たちみんなに責められた。


「あんな速いボール取れるわけないじゃん!」


「大丈夫?松浦さん、本当最低だよね。」


「先生~!松浦さんがボールぶつけたんで

佐伯さんは保健室つれてきまーす!」



そう言って同じクラスで佐伯さんの友達の

田中さんと野田さんが佐伯さんをつれて

体育館から出ていった。


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