高校デビュー
「これ?」
後ろから長い腕が伸びてきた。
「え?」
誰かいるとは思わなかった。
よかった、独り言とか言ってなくて。
じゃなくて!!
「はい。」
私がとりたかった本をとってくれた。
「あ、ありがとうございます…。」
本を受け取り、顔をあげた。
「あれ、一ノ瀬くん…?」
「あぁ、昨日の。
名前なんだっけ。」
う、覚えてないんだ…。
「松浦莉々愛です。」
「あぁ、そうだ。」
思い出していただけたようでよかったです。