高校デビュー



気がつくと話し声は美咲と雅人くんだけに。


ふと顔をあげると一ノ瀬くんも本を読んでいた。

脚を組んで……その姿が似合いすぎてて

とてもかっこよかった。


不覚にもドキッとした。



その時私のスマホが震えた。


"着信 藍川蒼太"


えー…。



「もしもし?」


私は電話に出ながら席を離れた。



『どこにいんのー?

早く戻ってきなよー。』



「あー…今本読んでるの。

だからごめんね。」


どうしても今は戻る気になれない。


『えー、俺探しにいっちゃうけど。』


……それは困るけど…。


「あとじゃだめなの?」



『せっかくの昼休みじゃん!』



「……じゃあもう少ししたら戻るから。

待ってて?」



『わかった!なるべく早くお願い!』



「うん、じゃーね。」


そう言って電話を切ってみんなのところへ戻った。



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