高校デビュー



「誰~?」


私が戻ると美咲が聞いてきた。


「あー、蒼太くん。

早く戻って来てーって。」



「モテる女は大変ね。

しかも雅人みたいな男に。」



「おい、俺はそこまでしつこくねーよ。」



「図書室まで来たじゃん。」



「……そうだけど。」


雅人くんがねぇ……なんか意外。



「雅人くん、美咲のことだいすきなんだね。」


私がそう言うと、雅人くんは照れた。



「莉々愛、そういうこと言わなくていいから。

ってか蒼太待ってるんじゃないの?」


と美咲に言われてしまった。



「そーでした。

じゃあ先戻るね。」



私は本をしまって教室へ戻った。



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