(完)年下男子に惚れました
出会い
季節は春。
目の前には入学式を先日終えたばかりの一年生がズラッと座っている。
そして、その後ろにはいつもより少ない二年生と三年生。
現在、体育館で部活動紹介中なのだ。
各部活動がいつもの練習を見せて紹介、勧誘する。
沢山の後輩に入って欲しいキャプテンたちは火花を散らしている。
そして、私も所属している剣道部員として今みんなの前に立っている。
「ーーーっ‼︎ ーなっ‼︎ゆうな‼︎」
「へ?」
いきなり名前を呼ばれ思わず素っ頓狂な返事を返す。
声の聞こえた方へ視線をやると目のつり上がったキャプテンがマイクをこっちに差し出していた。
そうだ。
ボーッとしていた。
私が二年生のコメントを任されていたんだった。
慌ててマイクを受け取り喋り出した。
大丈夫。覚えてるよ。
しかし、何故か前に座っている人たちはクスクス笑っている。
不思議になって首を傾げていたら隣から頭をスパンと叩かれた。
またキャプテンだ。
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