(完)年下男子に惚れました
見学が始まり、普段の稽古を正座で見せられた。



練習の内容は俺の通っていた道場と同じような感じ。



俺はあいつを目で追っていた。



初心者で一年生っていうだけあって、確かに下手ではあった。



だけど、元から運動神経がいいのか、他の一年生よりはよっぽど動けていた。



でもそんなことより、生き生きと、やりたくてやりたくてたまらない、そんな風に剣道をしていた。



ふと、初めて試合に出て勝った日のことを思い出した。



嬉しくて嬉しくて、もっと勝ちたい、もっと練習したいって、そう思ったあの日を。




ああ、あいつの言う通りだ。



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