(完)年下男子に惚れました
そうやって、夢中で稽古を見ている間に、体験時間は終わってしまった。



部長だと言う人が、俺らを誘導する。



俺はドリンクを飲んでいたその女の手を握って無理やり振り向かせた。



驚いた顔をしているが、気にせず言った。




「絶対、強くなってここに入部してやるから。覚悟しとけよ!」



俺のその言葉にその女はまた目を丸くして、しばらくして思いっきり笑った。



「私はもっと強くなってるから」



言い返そうとすると、俺は部長に手を引かれて連れて行かれた。



胸の高鳴りは抑えられなかった。



あの日、俺はそいつの笑顔に一瞬で惚れてしまった。



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