(完)年下男子に惚れました
最後の想い
「…うな!優菜!」


その声にビクッとして、声の主を見る。



そこには瑠衣、蒼、夏実が怒っているような、心配しているような様々な表情を浮かべ立っていた。



「あんたほんと、最近おかしいよ!」



そう瑠衣が怒り出して、3人があーだこーだ言っている様子をぼーっと眺める。



あのキス事件から、いつの間にか2週間ほど経っていた。



悠雅とは話さないどころか目も合わせてない。



部活のみんなも私たちの異変に気付いているはずだけど、何も触れないでくれている。



何に対しても気力が湧かない。



悠雅と話せないだけで、こんな風になってしまうなら、あの時、適当に笑ってごまかして怒らなければよかったのかな。



でも、私はあれが悠雅の本性なのかと思って。



彼女がいても他の女子に手を出すようなやつだったのかと思って。



怖くて怖くて、とにかくあの場から逃げ出したくてあんな風に言ってしまった。



私が好きな優しい悠雅は嘘だったんだろうか。



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