(完)年下男子に惚れました
屋上は立ち入り禁止だから、階段のところで座り込む。


そこで、ようやう私は口を開いた。



「みんな戻っていいよ。怒られる」



そう言うと、瑠衣は眉を吊り上げて私の頭を軽くチョップした。



「あんたが泣いてんのに行けるわけないでしょうが。次は体育だから気付かれないっしょ」



そんなはずはない。



確かに2クラス合同でするから人数は多いけど、存在感が強すぎる瑠衣は気付かれないはずがない。



反論しようとする私を蒼が抑えて、言った。



「どうしたの?」


そんな風に優しく問いかけられたらまた泣きそうになる。



私はゆっくりと話し始めた。



悠雅のことがずっと好きだったこと。
この前のこと。



一つ一つゆっくりと。



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