(完)年下男子に惚れました
「あれぇー?あの人かと思ったんだけどなあ!」


「なんかいっつも黒田君を追い掛け回してるしねえー。」


「じゃあ、やっぱ他中なのかなあ?」


「ええー。私、黒田君のこと好きだったのにーっ‼︎」



パタパタという上靴の音とともに聞こえてくる話し声。


プルプルと拳が震える。


「な…。」


第一声を発した途端次から次へと言葉が流れ出るように出てきた。


「何なの⁉︎いきなり話しかけてきてさあ‼︎ってゆうか、いつも追い掛け回してるって何⁉︎好きで追いかけてる訳じゃないんだけど‼︎てか、そもそもなんで私とあいつが付き合うわけ?普通に考えておかしいっしょ‼︎」



一気に吐き出して、ハアハアッと肩で荒く息をする。


どこから取り出したのか、夏実が水の入ったペットボトルをくれた。


ゴクゴクとそれを飲み干して、大きく息を吸い込んだ。


まだイライラは治らない。



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