(完)年下男子に惚れました
「私、風邪ひいたみたい。」



真顔でそう言った私を莉桜は気にする素振りも見せず言い放った。



「馬鹿は風邪をひかないっていうでしょ。気のせいよ。」







あれから、私と悠雅は珍しく会話が続かず、しばらく気まずい無言が続いていた。



しかしゾロゾロと他の部員がやってきて、気まずい空気から逃れられた。






最近、今の三年生の最後の大会である中体連が近いこともあり、部活は熱気に包まれている。


「準備体操するよー!」


キャプテンの声にみんながゾロゾロと並び始める。



三年生からしか中体連には出れないから、正直二年生や一年生の中にはそのムードについていかない人もいる。



だけど、私たちは誰よりも先輩たちの悔しさや喜びを知っている。



だからこそ、共にチームを沸かせて先輩たちの背中を押したい。



みんなにもそう思ってほしいなあ。




なんて心の中でひっそりと気合を入れた。








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