(完)年下男子に惚れました
「始め‼︎」


その大きな掛け声により試合が始まった。


両者とも相手を調べるように静かに動く。


緊張感に包まれる。


先に動いたのは相手だった。


一瞬をついて面を打ってきた。


だが、悠雅は一枚上手だった。


面を打つことで空いてしまった相手の胴を真っ直ぐに切り込み抜けていった。


そう、まるで時代劇に出てくる本物の侍のように。


一瞬の出来事だったが審判は見逃すことなく、悠雅の方に3人とも旗をあげている。


わっと体育館が湧く。


悔しいけど、見惚れてしまう。


力強いだけどしなやかな悠雅の剣道に。




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