一方通行 1
「ちょ、離れろ!」








引きはがそうにも、大翔の力に敵わない。








なよなよしてるように見えて、実は体力があるみたいだ。


























大「んー、やっぱ落ち着く。」









私は落ち着かない!








いくら幼馴染とはいえ、この状況を母さんに見られたら誤解されかねない。








いや、絶対誤解される!







しかも優那にもこんな光景見られて、誤解されたくない。








優那と大翔には、うまくいってもらわないといけないんだから・・・



























「離せー!」









大「凛那。」








必死に胸元を押して引き離そうとした時








やけに真剣な声が聞こえ、動きが止まる。


























後頭部に回ってる手が、更に引き寄せる力を増す。









「ちょ、大翔?」








いつもの様子と少し違う大貴に、戸惑う。


























大「もう眠い。このまま寝かせろ。」









消え入りそうな小さな声で言うと







寝息のようなものが聞こえてきた。




























え、ほんとに寝たの?








顔を見ようにも、後頭部がっちり押さえられてて動けない。




























「勘弁してよ・・・」









小さくため息を漏らすと









そうこぼした。
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