一方通行 1
あれからどれくらい経ったんだろう








もういいだろうと見計らい、トイレをゆっくり出る。




























「閉まってる・・・」









さっきは少し開いてたドア








今は、私が風呂に行った時と同じ状態で、きちんと閉まっている。








もう優那は、自分の部屋に戻ったってことかな・・・


















それでも油断はできないと、忍び足で部屋の前まで行く。

















そっとドアに耳を近づけ、人の気配がないか確かめる。








何も聞こえないし、それっぽい感じもしない








大丈夫だ








そう確認し、ドアを開ける。





























先ほどと変わらない光景









優那がいないだけで、熟睡してる大翔だけがいた。



















こいつは何も知らずにのんきなものだ








目、覚まさなかったのか








覚ましてたら・・・




























それはそれで、私が部屋に戻りづらくなるか。




























「大翔。」








ベッドに腰掛けると、寝てる大翔に話しかける。





























「私ね、雄希が好き。」








知ってるよね








「大翔と優那がくっつけばって思ってる。」








そうすれば雄希は、優那を想えなくなる









「間違ってる?」









大翔は、どう思う?


















答えもしない、大翔の寝顔に問いかける。
< 142 / 149 >

この作品をシェア

pagetop