一方通行 1
「いいよ、間違ってて。」








正しい答えなど、本当はないのかもしれない









「それが・・・私の望んでる本当の心だから。」









あったとしても、正しい答えなどに従わない








私は、私の心に従う。





































「大翔も、優那が好きでしょ?」









目を細めて見つめる。



















昔からそうだった









私の周りにいる人はみんな、優那が好きで








女の子も、男の子も








みんなに好かれる優那















そんな私を見て哀れに思ったのか、優那は特定の友達を作らず









気難しい私の傍にずっといてくれた。


















正直、優那を雄希から引き離したいだけじゃない









私のせいで、色々我慢して来た








私のせいで、色々苦労して来た








そんな優那が今、苦しんでるなら








大翔を好きなのなら








私は協力したい








そう思ってる。





























きっと優那は、私が大翔を好きだと勘違いしてる。









ずっと一緒にいるから








だから認めようとせず、ずっと心に留めてる。








自分の思ってる事を隠すのは、優那の昔からの癖だから




























好きな人くらい、我慢させたくない









大翔が好きなのなら、私は自分の利害の前に








心から応援できる。







































そんな風に考えてた私は









余計なお世話だったのだ



















優那の考えてる事、大翔の考えてる事









あの二人の








本当の関係を








何も知らずに・・・
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