一方通行 1
「先行ってて。」








階段から見下ろしたまま言う。









優「待ってるから、一緒に行こうよ。」








そうは言っても、遅刻寸前。
道連れにはできない。









それに、雄希は二人で行きたいだろうし・・・




























「いいよ。先行ってて。」









それだけ言うと、背を向ける。









雄「いいから早く準備して来いよ。」









ため息と同時に聞こえた、呆れたような声。



















毎朝のやり取り。








本当は二人がいいくせに、何故か私まで巻き込もうとする。








正直、気分は良くない。





























「大翔と行くから良いってば。どうせあいつも遅刻でしょ。」









手でシッシッとやると、そのまま部屋に向かった。





























「はぁ・・・」









遅刻が確定した今、急ぐことはない。









ベッドに倒れ込むと、大きなため息をつく。



















「このまま寝ちゃおうかな・・・」









いや、それはマズイな。









私、バカだから内申だけは良くしとかないと。









「んあー!」









背伸びをしながら起き上ると、準備を始めた。
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