一方通行 1
「今日おばさんたちは?」








部屋に連れてこられ、ゲームのセットをしてる大翔に聞いてみる。









大「二人とも残業で、会社に泊まるって。」








寂しくないのか、あんまり気にしてない様子で言う。









「そっか。」









本当は寂しいのかな








だから私を呼んだのかもしれない。





























見慣れたベッドに座ると、改めて部屋を見渡す。


















小さいころから、今に至るまでの4人の写真が飾ってある。
懐かしいものがあり、思わず笑ってしまう。









大「何笑ってんだよ。」








ゲームのセットが終わったのか、私の隣に座ると不思議そうに言う大翔。








「んー、懐かしいものがあるなって。」








昔私が上げた、へったくそな絵まで置いてあるし。









「あれさ、捨てたら?」








ご丁寧に額縁に入ってる絵を指さす。


















大「捨てるかよ。お前がくれた初プレゼントじゃん。」









初って言っても、幼稚園の時に何気なく書いた大翔の似顔絵








勿論、私に絵心なんてあるわけもなく似ても似つかないものになった









当時の私は、恥ずかしげもなく大貴にあげたんだよね


















何が気に入ったのか、笑顔で受け取って
その後もずっと飾ってる。
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