一方通行 1
「でも下手くそだし。」







恥ずかしいと思いながら、更に見渡してると









「お、あれ。」







ベッドから立ち上がると、漫画が置いてある本棚に近づく。









その隅っこに見覚えのあるもの









「一度も使ってないの?」








それを手に取ると、一度も使われた形跡がない









大「まぁ、俺そう言うの似合わないし。」

















そんな事ないけどな、と思いながら
それに鼻を近づける。


















「うん、良い匂い。」









大翔によく似合いそうな香水の香りだ。















去年の誕生日に、優那があげてた物だ。
もう高校生だし、大人っぽいものがいいと言いながら選んでたのを思い出す。








ちなみに私は、おさがりのゲームをあげた。
次の月が雄希の誕生日だったから、ケチったのは秘密・・・


















てっきり使い切ってるのかと思えば








「こんなとこに大事そうに取っといて。」








元の場所に戻すと、からかうよな口調で、大翔の胸元を肘で軽く突く。



























「大翔も優那が好きなのかー。」









何気なく、軽く発した言葉だった。









好きなのかな?って疑問もあったし







好きだったら・・って思いもあったから。
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