一方通行 1
同い年だというのに、むしろ年下の様に感じられる子供っぽさ。








それが逆に、私にとっては親しみやすかったりする。









実の兄の様に思って、実の姉の優那より仲がいいかも。







































大「凛那ー。」









階段をドタドタ降りる音と共に、呼ばれた声。


















ソファに座ったまま振り返ると、ネクタイを結ばずに首から掛けてる状態のまま。









大「ん、やって。」









当たり前かのように、胸元を突き出してきた。









「いい加減、自分でできるようになりなよ。」









グチグチ言いながらも、ネクタイを手に取る。








大「お前がやってくれるから、覚える必要ない。」









得意げに笑う大翔。









呆れながらも、毎朝の様に結んでやる。









遅刻した時も、わざわざ教室で私にやらせるほど。







いい歳してネクタイも結べないなんて、少し情けない気もするけど。

















「はい、出来た。」









ボタンを一つ開けた上に、ゆるく結ばれたネクタイ。









大「んー。」









返事をすると、そのまま洗面所に行ってしまった。









「マイペースなやつ。」


























あんなでも、一応学校のモテ男だったりする。









まぁ、あのルックスならうなずけるけど。







毎日近くにいる私には、天然でのろまにしか見えない。
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