君に遺された恋
アザがズキンと痛む。

「…痛いよアル。」

「はっ!すみません…つい…」

「でも心配してくれてありがとう。この事は…」

「秘密ですね。」

「うん。」

僕は彼女の頭をくしゃっと撫でた。
忘れてほしい…
こんなボロボロな王子

泣きそうな目で僕を見つめるアルの目を見て僕は思いつく。


そうだ…一番に僕の身の回りの世話をしてくれるアルに頼めば…


「ねぇアル?一つお願いしたい事があるんだけど…」

「はい…?」


ーーー僕は城を抜け出す手助けをアルに頼んだ。
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