君に遺された恋
それから3日後、僕は計画を実行する。

いつものように朝を迎えて、
僕はアルが用意してくれた服に着替えた。

ちょうどその頃、正面の門では父様が公務に出るところで城の中の使用人は出払っている。


コンコン
「アルです。レグルス様…」
ガチャ

「準備はよろしいですか?」

「あぁ、万全だよ。」

「それでは計画どおりに…」


アルは僕を引き連れて使用人専用の勝手口から外へ誘導する。
気味が悪い程スムーズに出ることができて、僕は舞い上がる。

「案外簡単に出られたね。」

と僕が笑うと、アルが哀しそうな表情で微笑んだ。

「アル、僕のためにありがとう。
迷惑をかけるけど、後のことはよろしくね。」

「はい、レグ…いえ…お気をつけて。」


そして僕は振り返ることなく一直線にミラの家を目指した。
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