君に遺された恋
地図どおりだと確かここ…か。
と、ミラの家の前に立っていると後ろから声がした。

「うちに何か用ですか?」

この声…聞きたかったミラの声だ…!
僕はバッと振り返りミラの手を握る。

「え?!レグルス?!」

「しーー!しーーーー!」

「どうしてここに?!」


驚くミラに小声で話す。

「逃げ出して来たんだ。君と一緒に居たい。」

「まぁ…」


言葉を失って目を潤ませるミラ。


「とにかく上がって?」

ミラが僕を家に上げてくれる。
彼女の部屋に入って僕はやっと深々とかぶっていた帽子を脱いだ。

綺麗に整頓された机と、シングルベッド。
用意してくれた椅子に腰掛け、僕は愛しい人の部屋に酔う。


するとミラがお茶を持ってきてすかさず尋ねた。

「さて、詳しく聞かせて?」

「な、何を?」

「だから、抜け出してきた理由とか、方法とか…」
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