君に遺された恋
「例えば…3日後なら王様は公務に出られますので
見送りの使用人達が出払ったタイミングで
使用人通用口を使って外へ出られてはいかがでしょう。」


レグルス様の力になりたい一心で私は頭を働かす。


「使用人通用口?」

「はい。私達使用人が使う出入り口です。
カードキーさえあれば出入りできます。」

「そうか、それは良い…」

「しかし…外に出られてからはどこへ行かれるおつもりですか?」


ミラのところになんか行かせたくない…


「とりあえず当分はミラのところだよ。」


あぁ…やはり。
ミラに傷つけられているんでしょう?
その体のアザは…ミラがつけたものでしょう?

どうしてあなたはそれでもミラのところに行ってしまうの。


「レグルス様、私は心配です。」

「心配してくれてありがとうアル。だけど、どうしても行きたい。
君の協力があれば上手くいく気がするんだ。」

そう言って真剣な目で見つめられて、
誰がNoと言えるだろうか。

苦しい。こんな決断。
だけど…

「そうですか…分かりました。ご協力致します。」
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